多武峰夏季修練会の実験に思う
大阪賛助会 A・Y
「最初に申しておきますが、この教えには即効性はありませんよ。」
今川講師のこの言葉から始まった、この度の多武峰夏季修練会。さあ大変です。少なからず即効性を求めて初参加された方も結構いるはず。実際、過去同室になった初参加の方も、この修練会に多かれ少なかれやはり即効性を期待しておられました。その点、今回3回目の参加となる私は少し余裕。即効性を求めるものではないことは十分承知しているもんね、というところです。
ところが、ところが、そんな余裕も2日目、3日目の実験の時間で吹っ飛んでしまいました。テレパシーも、箸切りも、体の重さが重く(軽く)なることも、すべて3回目の体験のはずです。それなのに、どの実験も全部初めて体験するような感覚を拭えないのです。一体自分は今までの実験に何を見ていたのだろう。ただ眺めていただけなのか。たしか、真面目に取組んできたはずなんだが・・・・・。
そうなんです、この実験で天風先生が、そして講師の方々が伝えたかったことが、自覚として自分に根付いていなかったからなんですね。それが今回の実験でようやくグイグイと沁み込んできたように思います。「精神は統一して使えよ」「心ひとつの置き所だぞ」。天風先生の言葉が聞こえてくるようです。実験は、心の使い方、精神統一の訓練。そして、この訓練を日々の生活の中で活かさなきゃ意味無いぞということなんですね。
「思考が人生をつくるんだ」と天風先生は言われます。そして、こんなお言葉も聞こえた気がしました。「だけどお前たち、この言葉だけじゃ十分には分からんだろ。だからこの実験をやるんだよ。この実験が意味する本当の所を自覚としてしっかり持って帰れよ」と。